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フランスは酩酊フィルム流さず

2009/10/04 18:56

 

中川昭一氏の死亡に衝撃を受けている。

フランスでは大臣の酩酊フィルムを流さなかった”事件”があったばかりだけに余計に残念でたまらないし、中川氏をさんざ標的にして批判して面白がっていた一部メディアにも同業者として怒りを覚える。

 ”事件”を報じたのは、スッパ抜きで有名な週刊紙(誌ではない)「カナール・アンシェネ」。9月16日付けで報じたところによると、ボルロー持続開発・エコロジー・エネルギー相が同3日のエリゼ宮(仏大統領府)でのレセプションで演説する予定だったが、急きょ、取り消しになった。このレセプションを唯一、取材に行った国営テレビ、フランス2がレセプション終了後にボルロー氏を見つけたところ、足はふらふら、カメラを向けたら、何か述べたが意味不明で明らかに酩酊状態だった。このレセプションは午後8時のニュースで放映の予定だったが、没にした。同局の報道局長は、ただちに、フィルムの破壊を命令。インターネットなどにも流れないような措置を取ったという。

 同報道局長はこの報道を「虚偽」と否定。その後、主要紙や週刊誌がこの局長やボルロー氏を追っかけまわしたり、周辺取材などの後追いもしていない。だから、この風刺新聞の読者とその周辺しか、この話は知らない。

もっともフランスはミニコミの世界だから、この”事件”は周知の事実になっていると思うが。

ボルロー氏夫人は同局の人気美人キャスターだったが、ボルロー氏との結婚を機会にキャスターは降りた。しかし、以前として、テレビのジャーナリストであることに変わりない。週刊誌好みの話はいろいろあるはずだし、酩酊事件はメディアにとっては絶好の機会だったはずだ。

 以前、サルコジ大統領が酩酊状態でモスクワでの記者会見に登場したことがあった。サルコジ氏はアルコールはダメな体質で1滴も飲まず、好物はチョコレートといわれる。酩酊状態だったのはモスクワで乾杯のとき、ウオツカを飲まざるをえなかったかららしいが、このニュースは一旦、流れたものの、その後、このシーンはすぐ、流れなくなった。あとで、執拗にこのシーンを執拗に流して、サルコジ批判をしたところもなかった。

 サルコジ氏が農業祭で、握手を拒否した男性に「このバカ、引っこんでいろ」と言ったシーンは携帯で撮影した人がいて、あとで盛んにされ、政治問題になった。これは大統領にあるまじき言動だったからだが、体質的にアルコールがダメなのに、国際儀礼上、ウオツカを飲まざるをえなかった大統領がその直後の会見で、酔っ払い状態だったのは許せる行動だったからだ。それに大統領のこうした醜態を報道しても、フランスの国益に反するだけだ。サルコジ嫌いの左派系メディアもこの大統領の酩酊状態をあげつらうところはなかった。

サルコジ政権は環境問題を重視しているので、

ボルロー氏は政府のNO2の重職にある。フランス2は、そういう人の失態をニュースで流して面白がっても、あまり建設的でない、と判断したのだろう。ちなみにこの報道局長は女性である。サルコジ大統領に最近、厳しい質問をしており、大統領から不況を買ったとのニュースが週刊誌に掲載された人である。

中川氏の酩酊会見はフランスでもされた。その時の感想は、どうして、周囲がこういう状態で記者会見に臨ませたのか、どうして周囲の人がお酒を飲ませたのか、という疑問と怒りだった。中には同級生の官僚もいたという。それなら、余計になぜ、お酒など飲ませたのか。こんなのは同級生と呼ばれる資格などないし、第一、官僚として責任を取るべきだと思った。官僚は国家に仕える、つまり国民やその代表である国会議員や大臣に忠誠の限りを尽くして仕えるのが仕事だ。それを怠ったのだから、この官僚こそ、辞任するべきだと思ったが、彼を批判、非難したメディアは、ほぼ皆無だったのが不思議だ。

中川氏がすべての責任は自分、と周囲の人間を庇っていただけに、周囲の人間の無責任ぶりにはあきれた。

中川氏は財務相、農業相としてOECD閣僚会議やジュネーブでのWTO閣僚会議に出席のためパリにも何回か出張してこられたおりにお目にかかることがあった。WTOでパリにいらしたのは、ジュネーブと東京間の直行便がないので、パリ経由にせざるをえなかったからだ。日本の役人や政治家、会社員などの中には、パリで遊んだり、買い物をするために、わざわざ他国の出張の際、パリに寄る人もいるが、そうではなかったことを明記しておきたい。勉強家で見識もあり、著書も読ませていただいたが、日本の政治家の中では、本当に珍しく知性があっただけに、あの事件は残念に思ったし、再起を期待していた。今は

謹んで哀悼の意を表すばかりだ。

 

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コメント(7)

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2009/10/04 22:22

Commented by ブリオッシュ或いは出べその親方 さん

日本のマスコミは国益を損なうのが大好き。フランスと大違いです。

 
 

2009/10/04 23:31

Commented by siegfried さん

 中川氏がそうだとは言いませんが、酒癖の悪い上司に振り回され、反吐の後始末までしたり、おぶって部屋まで担ぎ上げたりする経験を何度もしていると、貴エントリのおっしゃるように許す気持ちは持てなくなるものです。

 
 

2009/10/05 22:56

Commented by スマイル さん

10月21日 フランス3チャンネル環境番組の中で、日本のコンビニ食品廃棄問題が放映されるそうです。実は当店で取材されたものです。
 もし番組ご覧になりましたら感想をお聞かせください。 

 
 

2009/10/05 23:04

Commented by 鬼神 さん

日本のマスコミは、本当にレベルが低いですからねぇ。

しかし、本当に中川さんが亡くなったのは、悲しく、残念です。
 心よりご冥福をお祈りします。
はぁ・・・・無念です。でも、我々国民は、中川氏の意思を受け継いでいかねばなりませんね。

 
 

2009/10/07 14:02

Commented by yuuitirou さん

同業者として怒りを覚えたのなら 行動しろよ

  ま そんな 根性はないわな。

 
 

2009/10/07 19:46

Commented by mabutinorinaga さん

ある友人から聞いた話です。
財務官の玉木林太郎と言う同行者がいたんだそうです。
その男は中川氏とは麻布中、麻布高の同級生で、中川氏は玉木を「リン坊」と綽名で呼んでいたそうです。
それが玉木は嫌で仕方なかったと言います、何故なら苗字と綽名の関係が余りにもリアルだったからだそうで、秀才だった玉木はずっと根に持ってたと言う事だそうです。
また中川氏はスポーツも勉強も出来、ハンサムだったところから他校の女子にも人気があり(麻布は男子校なのだそうです)、逆に玉木はガリガリのチビで勉強は出来るが運動はまるでダメだったそうで、それも玉木が中川氏に劣等感を持つ原因だったといいます。
ところが、受験になり現役で東大に入った玉木は、落ちて慶応に行った中川氏に対して初めて優越感を感じたらしい。
友人が言うには複数の級友がそう思ったと言ってるそうです。
ところが翌年、中川氏は慶応に通いながら再度東大を受験して合格。
「リン坊と一緒に勉強したかったから、頑張ったよ」って本気かどうか判らないけどそう言ったと言います。
それから表面は親友同士でも内面は絶対穏やかではなかった玉木の中川氏に対する男の嫉妬、妬み、嫉みと言ったものが無かったとは言えないだろうと友人は言います。
これがどこまで本当かは判らないのですが、種々の歴史を見ても意外とこんな事でと思うような出来事が大問題に発展する事ってある様な気がします。
何処かのブログにもそんな様な事を書き込んだ人がいたみたいですから、恐らく内実を知ってる業界の人ではないのでしょうかね。
私の聞いた話はココまでです。
調べられるようでしたら調べてみては如何ですか?

 
 

2009/10/10 03:22

Commented by kohyu さん

山口様、本当にお久しぶりです。西村幸祐です。
いつの間にかizaにブログをお持ちになっていたのですね。
時々、izaを徘徊するのですが気づかずに失礼しました。
私もブログをやっていますが、最近は忙しくて更新がほとんどできません。最新のエントリーをトラックバックいたします。

 
 
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2009/10/10 03:23

編集後記  [酔夢ing Voice - 西村幸祐 -]

 

10月16日発売の撃論ムック「迷走日本の行方」の校了が終わった。終わってから高熱を出して寝込み、故中川昭一氏の通夜にも告別式にも参列できなかった。10月16日発売の「迷走日本の行方」の編集後記を転記する。